銅ケーブル盗難防げ…メガソーラー侵入者を威嚇、日本遮蔽技研が警報装置
日本遮蔽技研(福島県本宮市、平山泉社長)は、夜間に大規模太陽光発電所(メガソーラー)に近づいた人間や自動車を検知し、自動的に強い光や音声を発する威嚇警報装置を開発した。人工知能(AI)を使った同社の「無人警戒システム VIGILA(ヴィジラ)」と連動する。福島県内のメガソーラーに1号機の設置を完了した。2025年4月には対人用の自動追尾式カメラシステムも発売する。
威嚇警報装置は「Metus(ミータス)」と名付け、東信電気(川崎市麻生区)が製造した。価格は120万円(消費税抜き)程度。半導体が入手困難のため、納期は最短でも約3カ月かかるという。
全国のメガソーラーで銅ケーブルなどの盗難被害が相次ぐ中、盗難防止用に現場での威嚇・警報の要望が強いことから製品化を進めてきた。今回の設置先でもヴィジラの導入前に盗難に遭ったという。
ミータスはヴィジラのサーバーが人や車を検知すると起動するように設定。発光ダイオード(LED)で5000ルーメンの明るさの点滅光と、最大100デシベルの大きさのサイレンを発するほか、「侵入発生、侵入発生」という日英の音声を1分間流す。警報の音量は調節可能。
25年3月にはLEDの明るさを1万ルーメンに引き上げ、7カ国語対応にする。現状は100ボルト電源を使っているが、太陽電池とリチウムイオン電池(LiB)で駆動する機種の開発も進める。
日刊工業新聞 2024年12月12日