世界最高水準の透明性実現…ADEKA、「PP透明化剤」新ブランドで世界首位狙う
ADEKAはポリプロピレン(PP)を透明化する樹脂添加剤のブランド「トランスパレックス」を立ち上げ、米国やアジア圏を中心に発売した。少量の添加で世界最高水準の透明性を実現するとしており、2030年までに同社の透明化剤全体で売上高300億円を目指す。従来製品では世界シェア2位の14%にとどまるが、新ブランドにより30年までに首位の60%を狙う。
新ブランドは透明化剤「アデカトランスパレックス CAシリーズ」を核に展開する。ポリスチレンやポリエチレンテレフタレート(PET)よりも透明性が低いPPに対し、透明化剤を添加することで結晶構造が微細化し、可視光が散乱せず通過しやすくなる。
PPにほかの透明樹脂に匹敵する透明性を持たせられるため、食品容器や医療器具、化粧品やアルコール飲料のボトル、自動車部材、家電など幅広い用途での採用が期待できる。
PPは一般に、耐熱性や耐薬品性に優れる。高透明PPは市場の拡大に加え、他の透明樹脂からの代替需要も見込める。同社によると、透明化剤の世界市場は30年に現状比1・66倍の500億円超に成長する見通し。
日刊工業新聞 2024年11月28日