半導体用材料の韓国R&D拠点増強、ADEKAの狙い
ADEKAは半導体用材料などを手がける韓国の研究開発(R&D)拠点を拡大移転する。約13億円を投じて、華城市内に現行施設(水原市)比で延べ床面積7倍、クリーンルーム2倍規模の施設を取得。地上4階建て、延べ床面積は約5322平方メートルで、8月をめどに移転する。
韓国ではDRAMの先端品や次世代半導体に使用する材料需要が高まっており、開発や評価が進む。新拠点は主に半導体成膜材料の評価・分析業務を担い、先端分野を中心とした半導体メーカーの需要に応える。また、クリーンルームを拡充したことで、ディズプレー用材料など他製品の評価の実施も検討する。
ADEKAは韓国・完州郡の工場で半導体の成膜工程に使う高誘電材料の増産を決めるなど、韓国と台湾、日本で半導体用材料の生産能力を増強中。華城市は韓国の北西部に位置しており、大手サムスン電子の半導体工場などが立地する。2022年には同工場で回路線幅3ナノメートル(ナノは10億分の1)の半導体の量産開始が発表された。
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日刊工業新聞 2023年02月28日