最先端「メガネ型XRグラス」投入、NTT系が提案する新しい働き方
NTTコノキューデバイス(東京都千代田区、堀清敬社長)は、メガネ型の最新XR(複合現実)グラス「MiRZA(ミルザ)」を10月に発売した。米半導体大手クアルコムのチップセット「スナップドラゴンAR2 Gen1」の搭載でミルザ内のソフトウエア処理を分散化。スマートフォンとの無線接続を可能にした。消費税込みの価格は24万8000円。ミルザ越しの空間上に複数の画面を同時に表示しながら作業をこなす新しい働き方を提案する
ミルザの重量は約125グラムと軽い。メガネに近い重量バランスや厚みを抑えた光学レンズの採用で長時間使用しても疲れにくい装着感を実現した。フルハイビジョン(FHD)の高画質でコンテンツを表示でき、グラスを通して現実空間を実際に見ながら空間に表示した画像や映像もしっかり視認できる。表示コンテンツはグラス装着者の周囲360度すべてに自由に配置でき大きさも調節できる。 ミルザはNTTドコモの携帯電話販売店「ドコモショップ」やドコモオンラインショッピングで購入可能。
ドコモ傘下のNTTコミュニケーションズ(NTTコム)は、混雑したエリアや時間帯でも安定した通信を実現する法人向け携帯通信「5Gワイド」とミルザを組み合わせたサービスの提供を始めた。NTTコム5G&IoTサービス部の川地厚史主査は5Gワイドについて「ドコモの携帯通信網を使ったパケット(分割した送受信データ)通信の優先制御機能を用いて同一エリア内の一般利用者よりも通信速度が速く、安定した通信が行える」と説明する。
ミルザはXRグラスに会話内容や通訳結果を表示できるアプリケーション「XRAIグラス」、通話機能やマニュアル作成機能を提供するNTTコノキュー(東京都千代田区)の遠隔作業支援ソリューション「NTTXRリアルサポート」に対応している。5Gワイドとの組み合わせで遠隔地にいる部下との円滑なビデオ会議が可能。空間内に表示した複数枚のマニュアルや遠隔地にいる監督者の指示内容を確認しながらハンズフリーでの保守作業にも活用できる。
NTTコノキューデバイスの親会社であるNTTコノキューはXRグラスの用途開拓に向け法人パートナーの募集を始めた。同社の中岡翔法人ビジネス戦略グループ主査は「展示ブースでミルザを使って自社製品を説明することもできる。今までより一段階進化した業務活用ができる」とミルザ利用拡大への期待感を示した。(編集委員・水嶋真人)