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1カ月で360万個販売、セブンーイレブンの「お店で揚げたドーナツ」が好調な要因

1カ月で360万個販売、セブンーイレブンの「お店で揚げたドーナツ」が好調な要因

お店で揚げたドーナツ

セブン―イレブン・ジャパンの「お店で揚げたドーナツ」が好調な滑り出しを見せている。9月3日に東京・千葉・埼玉の約5000店で発売後、1カ月間に約360万個を販売した。昼食や夕食での需要が多い他の揚げ物商品と異なり、ドーナツは12―18時に売り上げが伸びている。売り上げ増にとどまらず、新規来店者の獲得や来店頻度向上につなげる考えだ。(阿部俊介)

セブン―イレブン・ジャパンはお店で揚げたドーナツを6月末に埼玉県内で先行発売した。先行販売では間食需要との相性の良さが明らかになった。カレーパンなどの既存の揚げ物商品は主に食事需要を満たしていたが、ドーナツは比較的来店者が少ない12―18時に売れており、これまで獲得できていなかった客層へのアプローチに成功した。女性の30代以下という、新たな客層にも届いている。

セブンは2014年に「セブンカフェ ドーナツ」としてレジ横のカウンターでのドーナツ提供を始めたが、売り上げは伸び悩み、17年に販売を終了した。商品担当者であるFF・冷凍食品部FFマーチャンダイザーの戸谷駿介氏は「出来たて・揚げたて食品の市場が伸長していることから、さらにその需要を開拓するためにドーナツという商品を選んだ」と説明する。

セブンはレジ横の商材として「出来たてニーズ」に沿った商品を拡充している。挽き立ての「セブンカフェ」をはじめ、21年には「お店で揚げたカレーパン」を発売。24年7月には「最も販売されている揚げたてカレーパンブランド」のギネス世界記録に認定されるほど好調だ。

今回のドーナツは、従来のように工場から納品されたものをケースに並べるのではなく、冷凍で店舗に届けられ、店内で調理する。生地には「お店で揚げたカレーパン」のノウハウを生かし、「出来たて」に対する消費者ニーズに応えた。

レジ横のケースに並べて販売

現在は東北から中部までの約1万3000店で販売する。まずは25年2月までに全国販売し、さらに購入傾向や消費者ニーズを検証してさらなる商品開発を進める。

日刊工業新聞 2024年11月20日

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