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ローソンは売上高最高・セブン&アイは大幅減益…コンビニ3社、3-8月期決算で明暗

コンビニエンスストア大手3社の2024年3―8月期連結決算は、子会社譲渡の影響があったファミリーマートを除く2社が増収となった。ローソンは売上高に当たる営業収益、営業利益、当期利益の全てで過去最高だった。消費者の節約志向が高まる中、各社は品ぞろえの拡充や価格の見直しで差別化する。

ローソンの国内コンビニ事業は客数、客単価がともに前年を上回った。商品の刷新や配達サービス導入店の拡大、専門店との協業による高付加価値商品の販売が寄与。竹増貞信社長は「顧客の変化に合わせ、既存店への投資や商品開発に取り組んだ」と述べた。

同社は人工知能(AI)を活用した次世代発注システムを全店舗に導入した。実証してより効果的な活用法を探る。KDDIとの取り組みでは店舗、本部業務のデジタル変革(DX)で30%以上の効率化を目標に掲げる。

ファミマは中食やプライベートブランド(PB)が好調で、オリジナルの衣料品も売り上げを伸ばした。下期は店内のイートインスペースを転換して売り場面積を拡大し、日用品などの生活必需品の品ぞろえを拡充する。AIを用いた店舗支援や、生成AIによる業務効率化を進める。

セブン&アイ・ホールディングス(HD)はインフレによる海外事業低迷の影響が大きく、全利益段階で大幅減となった。商品を手頃な価格で提供する「うれしい値」キャンペーンで商品が「割高」とのイメージを払拭し、客数増を目指す。

日刊工業新聞 2024年10月14日

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