核融合実験炉の計画などに生かす…NECが受注した「次期スパコン」の計算能力
量研・核融合研から、総額45億円
NECは13日、量子科学技術研究開発機構(量研)と自然科学研究機構核融合科学研究所(核融合研)から次期スーパーコンピューターシステムを受注したと発表した。受注総額は45億円。量研の六ヶ所フュージョンエネルギー研究所(青森県六ヶ所村)に設置し、2025年7月から運用が始まる予定。
次期スパコンは最新の中央演算処理装置(CPU)と画像処理用プロセッサー(GPU)によるマルチアーキテクチャー(設計概念)を採用。原型炉設計・研究開発の促進のための大規模数値計算を行う。具体的には国際プロジェクトの核融合実験炉「ITER」計画や、サテライト・トカマク(JT―60SA)計画事業における実験の精密な予測や運転シナリオの作成などへの活用を見込む。核融合研では、核融合プラズマをはじめとする多階層・複合物理系を対象として、スパコンを用いた数値シミュレーション研究を行う。
受注したシステムは米インテル製CPU「ジーオン6900P」720基を搭載した「NEC LX204Bin―3」360台と、米AMD製GPU「インスティンクMI300A」280基を搭載した「NEC LX401Bax―3GA=写真」70台を中心に構成。理論性能は合計40・4ペタフロップス(ペタは1000兆、フロップスは1秒当たりの浮動小数点演算能力)の計算能力を実現する。
日刊工業新聞 2024年11月14日