NECはスーパーシティで売上高500億円へ。100人体制の新推進組織の全貌

防災・観光、街の進化サポート

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NECは、国家戦略特別区域「スーパーシティ」構想への取り組みを自治体やパートナー事業者と連携して推進する専門組織として「スーパーシティ事業推進本部」を100人体制で新設した。NECグループの全国114拠点とも連携し、地域密着型で取り組む。実績を持つスマートシティー(次世代環境都市)や海外展開も含め、2025年度までに約200都市への展開、売上高500億円を目指す。(編集委員・斉藤実)

新組織を率いる受川裕執行役員クロスインダストリーユニット担当が同日会見し、「スマートシティーは10年先のあるべき姿を見据えた“まるごと未来都市”であり、世界に誇れる『地域らしい』街の進化に向けて、グループ一丸で取り組む」と意気込みを語った。

現在、スーパーシティに公募している自治体は31あり、NECは17自治体に参画している。このうちNECは北海道更別村、神奈川県小田原市、和歌山県・すさみ町(共同)、高松市の4自治体で取りまとめ役を担っている。

政府はスーパーシティへの投資と成果を踏まえ、2025年度までに100都市でスマートシティーも実現する計画。すでにNECは13自治体でスマートシティーに参画している。

今後はクロスインダストリーユニットとして注力することで、従来型の自治体向けビジネスに留まらず、スーパーシティの目玉である複数領域にまたがるデータ連携や、地元の事業者、大学などとのパートナー連携を生かし、新たな事業機会を生み出す方針だ。

具体的には、社会・公共分野でのデータ活用の共通基盤を担う「都市OS(基本ソフト)」として、「FIWARE(ファイウェア)」を中核に据え、分野間データ利活用を促進する。ファイウェアは欧州連合(EU)が官民連携で開発したオープンな基盤ソフトで、NECは開発時から中心メンバーとして参画してきた。

スーパーシティ構想の実現に向けて、受川執行役員は「都市を経営の目線でとらえ、優先順位をつけて、課題を解決する」と強調。まずは防災や旅行・観光に注力する考え。例えば防災向けは、人工知能(AI)やスーパーコンピューターなどを活用し、河川の変化の分析・予測や、地震発生後の津波発生の判定・被害予測などが可能。

観光向けは生体認証や非接触・混雑回避を実現するサービスを提供し、感染防止と利便性向上の双方で旅行・観光業を支援する。代表例として、高齢化が課題の更別村と、都市のスマート化で連携する富山市の取り組みなどを紹介した。

日刊工業新聞2021年7月13日

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