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核融合で新事業創出へ、丸紅が出資した京大発スタートアップの技術力

核融合で新事業創出へ、丸紅が出資した京大発スタートアップの技術力

京都フュージョニアリングのラボ

丸紅は23日、京都大学発の核融合スタートアップの京都フュージョニアリング(KF、東京都千代田区)に出資したと発表した。KFがニチコンなど4者を引き受け先として実施した総額10億7000万円の資金調達の一部を担った。丸紅は出資額を明らかにしていない。KFが手がける核融合プラントの装置設計やシステム開発などを支援する。発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しない核融合技術の分野で新事業の創出を狙う。

KFは世界初となる核融合発電システムの試験施設を建設するなど、同発電の実用化に向けた研究開発を先駆的に進めている。2023年に三菱商事や産業革新投資機構傘下のファンドなどから総額105億円の資金調達を実施。今回の丸紅やニチコンなどの出資により、累計資金調達額は約148億円となった。

KFはプラズマ加熱装置や高性能熱交換器などの核融合関連の装置開発で高い技術力を持つ。また核融合技術は、発電や熱などの利用において関連産業の裾野が広がる見通し。資機材の調達・供給やエネルギー開発など幅広く事業を手がける丸紅は、KFへの出資を通じて核融合関連の事業開発を目指す。

核融合発電は海水に含まれる重水素などを燃料に使うためCO2が発生しない。核融合反応は燃料や電源を切れば停止するため安全性も注目され、国際的に政府や民間企業による研究開発が活発化している。

日本政府も23年に「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」を発表。産学官の連携による核融合エネルギーの社会実装を推進している。

日刊工業新聞 2024年7月24日

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