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模擬計算時間2分の1に…トーヨータイヤ、スパコン刷新

模擬計算時間2分の1に…トーヨータイヤ、スパコン刷新

スーパーコンピューターを処理する技術者

トーヨータイヤは16日、スーパーコンピューターを刷新し処理能力を自社従来機比で3倍に増強したと発表した。タイヤ開発の大規模なシミュレーション(模擬実験)に必要な計算時間を最大2分の1以下に短縮できる。高速化やシミュレーションデータの蓄積により、求める性能値からタイヤの構造、形状、パターンなどの設計仕様を導く逆算の予測精度も向上するとしている。

タイヤを開発する自社の基盤技術システム「T―MODE(ティーモード)」において、米ヒューレット・パッカード・エンタープライズのスパコンを新たに採用した。同システムを設計のコンピューター利用解析(CAE)に活用しているほか、2019年にはCAEに人工知能(AI)を用いた設計支援技術も組み込んだ。

23年9月にスパコンを刷新しソフトウエア改良も進めた結果、空力予測や材料物性予測など大規模シミュレーションの実行回数を大幅に増やせた。ピックアップトラックやスポーツ多目的車(SUV)用の大口径タイヤ開発で既に活用し、短期間で高性能な開発を可能にしたという。

技術者が高性能なスパコンを自由に活用できる体制を整え、開発力を強化する。投資額は公表していない。

日刊工業新聞 2024年7月17日

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