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生分解性フィルム6割増強、レンゴーが狙う脱プラ需要

生分解性フィルム6割増強、レンゴーが狙う脱プラ需要

レンゴーの生分解性フィルム「セロファン」

レンゴーは2027年をめどにパルプ由来の生分解性フィルムの生産能力を現状比6割増強する。医薬品などの包装材として使われており、脱プラスチック化を背景に需要が拡大する見通し。武生工場(福井県越前市)の既存の生産設備を更新するほか、新たに設備を増設する。環境配慮の観点から石油由来の樹脂フィルムからの置き換えが進んでおり、生産体制を強化し需要増に応える。

生産能力を増強するのは、レンゴーが開発した生分解性フィルム「セロファン」。生産能力と投資額は非公表。

セロファンは紙の製造で使うパルプを原料にしており、見た目は透明で、水と二酸化炭素(CO2)に完全に分解できる。石油由来の樹脂フィルムと比べ静電気が起きにくいため、包装材から薬などの内容物が出しやすい。また縦方向、横方向を問わず手で引き裂くことが容易で、包装材を開封しやすい特徴がある。

セロファンを生産する武生工場の設備を刷新する。老朽化が進む製膜機を順次更新し品質向上も図る。また製膜機を増設し生産能力を引き上げる。

世界的に環境対応製品への置き換えが進む中、樹脂フィルムから生分解性フィルムに切り替える企業が増えつつある。同社は需要増に備えてセロファンの生産能力を高め、商機に即応する。同社はセロファンなど環境に配慮した素材の開発を推進している。

日刊工業新聞 2024年6月26日

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