高耐食・耐熱ニッケル合金で厚み3分の1、日本冶金が開発した超広幅板の性能
日本冶金工業は厚みを従来品比で約3分の1に減らした高耐食・耐熱ニッケル合金の超広幅プレートを開発し供給を始めた。サイズは厚さ15ミリメートル×幅3100ミリメートル。石油分野における大径管向けでの需要を見込んでおり、中国のほか中東などにおける天然ガスや液化天然ガス(LNG)プロジェクト用途に拡販する。
製品化したのは高耐食・耐熱ニッケル合金「NAS625」の超広幅プレート。天然ガスプラントなどの配管素材として採用する場合、製造工程の溶接工数を減らせるなど、製造納期の短縮や製造コストの低減につながる。同社と中国・南京鋼鉄の合弁会社を通じて供給する。
同製品は高温での強度が高く、熱間圧延の難易度が高い合金プレート。板厚が薄くなると温度が低下することで、高温での強度がさらに上がる。このため加工の難易度も高まるが、製造条件を最適化するなどし、板厚を薄くすることに成功した。南京鋼鉄の広幅圧延機を活用し生産する。
日本冶金は21年に厚さ50ミリメートル×幅3100ミリメートルの超広幅プレートを製品化した。新たに薄板タイプを拡充することによって、同分野での競争力を引き上げる。中国市場ではこれまでに50トンを販売している。
日刊工業新聞 2024年06月24日