ニュースイッチ

世界初のメタノールが使える低速4サイクルエンジン、阪神内燃機工業が内航タンカー向け完成

阪神内燃機工業は21日、メタノール燃料を使う内航タンカー向けの低速4サイクルディーゼルエンジンを完成したと発表した。低速4サイクルエンジンでメタノールが使えるエンジンは世界初という。商船三井などが建造する内航タンカーに搭載する。メタノールは重油に比べ燃焼温度が低く、窒素酸化物(NOx)の生成が少ないのが特徴で、環境に配慮している点を訴求する。

同エンジンは駆動部の基本構造は既存エンジンと同一で、燃焼室をメタノールエンジン向けに改造。メタノールを主燃料、ディーゼルエンジンで使われるA重油をパイロット燃料にした。メタノールの供給が止まってもA重油のみで船級が認める速力で航行できる。

エンジンの規格はシリンダー径28センチメートル、シリンダー数6、回転数は毎分330回転。定格出力の1103キロワットでエンジンを稼働する場合の燃料の構成は、A重油10―15%、残りがメタノールとなる。

阪神内燃機工業は2023年に、商船三井などの海運会社や造船会社の計6社でメタノール燃料エンジン搭載の内航タンカーの建造決定を発表した。同タンカーは24年12月に完成予定。

日刊工業新聞 2024年5月22日

編集部のおすすめ