従来計画2倍の10兆円投資、ホンダがEV時代へ事業基盤強化
ホンダは16日、2030年度までの10年間で電動化・ソフトウエア領域に10兆円を投資すると発表した。従来計画から2倍に引き上げた。次世代電気自動車(EV)「0(ゼロ)シリーズ」を世界で7モデル投入するほか、電池を中心に垂直統合型バリューチェーンを構築して競争力を高める。EVの本格普及期を迎える30年度に向け、強固な事業基盤を築く。
10兆円投資の内訳はソフトウエア定義車両(SDV)の開発に2兆円、包括的バリューチェーン構築に2兆円、EV専用工場や新車種投資に6兆円。
商品群を拡充し、0シリーズのほか中国で27年までにEV10車種を投じる。日本では25年度中に交換式電池搭載の超小型モビリティーを投入する。
生産面では米オハイオ州の工場に設置する電池ケース製造ラインに6000トン級のメガキャストを導入し、生産効率を向上。30年に北米で調達する電池コストを現行比20%減らし、EV生産コストは同35%減を目指す。
ホンダは40年に世界でEV、燃料電池車(FCV)の販売比率100%、30年にEV生産200万台を目標に掲げている。三部敏宏社長は「足元の状況変化にとらわれすぎることなく、強いEVブランド、事業基盤を構築することが最大のミッション」と述べた。
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日刊工業新聞 2024年05月17日