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ホンダ系部品メーカー通期見通し…主要7社中5社が営業益改善、今後の競争力を左右するモノ

ホンダ系部品メーカー主要7社の2025年3月期連結業績予想は、自動車生産の伸長による受注拡大を見込み、ジーテクトユタカ技研を除く5社が営業増益や営業損益の黒字転換を見込む。原材料やエネルギー価格上昇が押し下げ要因となるが、生産性向上や価格改定に取り組み収益改善につなげる。中長期で電動化が進展する中、今後の投資戦略が競争力を左右しそうだ。

ホンダ系部品7社 2024年3月期

テイ・エステックは日本と米州地域で増産効果が寄与する。24年3月期に3期ぶりに営業黒字化した米州など収益改善施策を推進。環境変化に負けない収益体質の構築により、増収営業増益となる見通しだ。エフテックは売上高は微増を予想するものの、生産体質の改善や労務コスト上昇分の価格転嫁などを織り込み、営業増益を計画している。

エイチワンは固定費削減などの諸施策や販売価格の見直しなど損益改善に注力する一方で、生産能力の最適化や事業領域の拡大により収益力を強化する。中国連結子会社での減損損失計上などで営業赤字となった24年3月期からの黒字転換を目指す。武蔵精密工業エフ・シー・シーはそれぞれ減収となるものの営業増益を予想する。

一方、ジーテクトは得意先が電気自動車(EV)投入の前段階にあり、金型・設備などの車種開発の売上高が横ばいとなるなど全体の売上高としては微増。収益面では中国での景気減速の影響で受注生産台数が伸びず、営業減益を見込む。

ユタカ技研はエネルギー価格や労務費高騰などの影響が懸念される中、利益体質の強化に加えてエネルギー高騰分の価格転嫁などを見込む。だが、顧客からの受注減少が影響して減収営業減益を予想する。


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日刊工業新聞 2024年5月16日

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