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株価上昇に一服、「次の節目4万1000円は近いようで遠い」

株価上昇に一服、「次の節目4万1000円は近いようで遠い」

日銀の政策発表や春闘の結果を控え、株価は調整局面へ入る

次の節目は4万1000円

東京株式市場の日経平均株価は4万円を突破し、高値水準を維持している。年初から5日までの約2カ月で上昇幅は6900円を上回った。堅調な米国経済と株高を背景に、日本企業への高評価による海外マネー流入と人工知能(AI)の需要拡大を期待したハイテク株の買いが続いた。過熱感への警戒から半導体関連など成長期待の高い銘柄の上昇は一服。日銀の政策発表や春季労使交渉(春闘)の結果を控え、今後調整局面に入る公算は大きい。(地主豊)

米国市場でも高値警戒感が強まる中、5日はダウ工業株30種平均が大幅に続落し、主要3株価指数はそろって下落した。中国でのスマートフォン販売台数の減少を発表した米アップルの株価下落が響いた。米電気自動車大手のテスラの下落幅も大きく、ハイテク株を中心に売りが優勢となっている。

軟調な米国市場の影響を受け、6日の東京市場は日経平均株価が続落して取引を開始。4万円近辺での推移が続く。東京エレクトロンアドバンテストなど半導体関連株を中心に、これまで日経平均をけん引してきた主要銘柄の上昇が一服したとみられる。4万円突破後は、投資家の間で利益確定の売りが先行し、しばらくは様子見により下値を探る期間となりそうだ。

東証の市場改革と資本コストを意識した要請に対し、日本企業が株価や株主への対応を強化したことが、海外投資家への好感につながっている。2023年4-12月期の決算発表を経て好材料がより具体的に示され、投資家は企業実績に確信を持てるようになった。大和証券の坪井裕豪チーフストラテジストは「利益率の向上に加え、最終的には生産性や全体の売り上げを伸ばせる状況をつくることが各企業に求められる」と分析する。

今後の展望について、野村証券の神谷和男ストラテジストは「AIのさらなる需要増加は、市場のコンセンサス(合意)に至っていない。次の節目となる4万1000円は近いようで遠い」とみる。

日刊工業新聞 2024年03月07日

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