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「次世代半導体」開発加速…二次元材料を容易に転写、九大・日東電工などが新手法

九州大学の吾郷浩樹主幹教授や日東電工などの研究チームは13日、紫外線(UV)を当てると粘着力が10分の1程度に低下する、グラフェンなどの2次元(2D)材料向けの機能性テープ(UVテープ)を開発したと発表した。保護膜や有機溶媒を使わずに、2D材料を簡単に転写できるようになる。次世代半導体の開発を加速する技術になる。

※自社作成

粘着力の強いUVテープをグラフェンに密着させた後、UV光を照射して電気化学剥離を行い、粘着力が弱まった状態で基板に転写する。UV光でグラフェンと粘着剤のファンデルワールス力を制御して転写する仕組み。人工知能(AI)を使ってグラフェンに適したテープを開発し、最大99%の転写率を実現。従来の高分子転写よりも欠陥などが少なく、短時間で転写が行える。

九大などのほか、二次元材料研究所(福岡市博多区)、中央大学、大阪大学産業技術総合研究所の研究チームが新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援を受けて開発した。

テープ転写はグラフェンだけでなく、半導体や絶縁体の2D材料に使えるほか、大面積への転写も可能。2D材料の転写・製造プロセスを効率化することができる。

今回、テープ転写したグラフェンを用いてフレキシブルなテラヘルツ(テラは1兆)センサーを試作。さらにグラフェンのトランジスタを作製し、UVテープの転写膜により高い移動度が得られることも確認した。


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日刊工業新聞 2024年02月14日

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