EVシフトで需要拡大…旭化成が湿式セパレーター事業で専業子会社
旭化成は、リチウムイオン電池用湿式セパレーター事業の専業子会社を立ち上げる。1月に設立した子会社の旭コミュニケーション(東京都千代田区)の社名を9月1日付で「旭化成バッテリーセパレータ」に変更し、同事業を10月1日付で移管する予定。電気自動車(EV)シフトによる電池需要の拡大を見据え、専業の子会社を設けることで市場変化への柔軟な対応や意思決定の迅速化などを狙う。
同セパレーター「ハイポア」事業を移管した子会社の従業員数は関連する営業や生産などを含め、約730人を想定。2023年3月期のハイポア事業の売上高は約336億円だった。
同セパレーターは電池内の正極と負極の間で充放電に伴うリチウムイオンの行き来を妨げず、正極と負極の接触による短絡(ショート)を防ぐ部材。EVシフトに伴い、北米などで急激な需要拡大が見込まれ、旭化成は塗工能力の増強など体制整備も進めている。
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日刊工業新聞 2024年02月08日