「中国の成長が止まっている」…ニデック・永守会長が示したこれからの投資方針
ニデックは中国市場の成長鈍化などを受け、インドとアフリカに積極投資する方針を示した。アフリカ大陸に同社初となる家電用モーターの工場をエジプトに建設予定で、2025年にも生産を開始する。インドでも同モーターの5番目の工場建設を検討しており、永守重信会長兼最高経営責任者(CEO)は「中国の成長が止まっている。我々の目はインドやアフリカに向いている」と両地域の成長性に大きな期待を寄せた。
「これからの10―15年を見た時、かつて中国に進出した時と同じような雰囲気になってきている。そういうマーケットに入っていくことが我々の成長につながる」と永守会長は強調。成長する市場へ積極投資する。
一方、事業分野での「原点回帰」(永守会長)も進める。もともとハードディスク駆動装置(HDD)用などの精密小型モーターで成長してきたことから、「モーターが一番得意で一番儲かっている。そこに経営資源を集中して関連分野が広がっていく。しばらくトラクションモーターに傾注し過ぎた」と永守会長は説明。さらに「特に大型モーターの成長性が高い。当社は精密小型モーターが祖業で大型モーターの技術を持っていないので、そういう企業を買収していく」と、今後のM&A(合併・買収)の方針も示した。
電気自動車(EV)向け駆動装置「イーアクスル」を含めた車載事業ではプロパー人材中心に幹部を一新する方針も明かした。
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日刊工業新聞 2024年01月25日