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日本郵船・商船三井・川崎汽船…海運3社は積極投資継続、「次世代環境船」導入推進

日本郵船・商船三井・川崎汽船…海運3社は積極投資継続、「次世代環境船」導入推進

商船三井が導入予定のLNG燃料ケープサイズバルカー

日本郵船商船三井川崎汽船の国内海運大手3社は、2024年も積極投資を継続する。液化天然ガス(LNG)輸送船や環境対応船を積み増すほか、M&A(合併・買収)や海外投資などを推進する。中東情勢の悪化などで足元の海上運賃は上昇する一方、国際情勢は不透明感が増している。21―22年度の高収益を元に将来への投資に推進する。(梶原洵子)

日本郵船は、23―26年度の中期経営計画においてグループ会社が行う物流事業を中心にM&Aを行う。日本では最終目的地へ配送するのに必要なトラックなどの資産を確保するため、M&Aや資本提携などを検討する。トラック運転手の残業上限規制の強化による輸送力不足が懸念されており、自社で資産を確保して、安定した輸送体制を構築する。

米国では電子商取引(EC)向けのフルフィルメント(受注発送)機能を強化する。23年に米テーラードサービシズを買収した。「投資は縮小しない。物流の機能強化は順調に進んでいる」(曽我貴也社長)とする。

商船三井は23―25年度の投資額1兆2000億円のうち、LNG輸送船などを中心に9000億円まで意思決定した。「計画を上回る可能性がある。その場合は資産売却を行い、資産を入れ替える」(橋本剛社長)とする。24年は、前年を上回るペースで海外でのM&Aや不動産投資を行う。また、航行中に二酸化炭素(CO2)を排出しないアンモニア燃料船の建造を24年内に決めたい考え。

川崎汽船は、M&Aについて「鉄鋼原料などの海運の成長をけん引する3事業の成長を後押しするものを検討している」(明珍幸一社長)とする。23年5月には、22―26年度の投資額全体を当初計画から1100億円上乗せして6300億円に増額している。「『好況時は抑制的に不況時は戦略的に』というのが基本の考え方だ」(同)とし、実需を見極めて投資を進める。

日刊工業新聞 2024年1月23日

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