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世界初「大型液化水素運搬船」の運航方法を検討、川崎汽船・商船三井・日本郵船がJSE子会社に出資

世界初「大型液化水素運搬船」の運航方法を検討、川崎汽船・商船三井・日本郵船がJSE子会社に出資

液化水素運搬船のコンセプト図(川崎重工業)

川崎汽船商船三井日本郵船の海運3社は26日、液化水素の海上輸送の検討を行うJSEOcean(東京都港区)に資本参加すると発表した。第三者割当増資を引き受け、それぞれ16・6%を出資する。出資額は非公表。商用規模の液化水素の海上輸送方法の確立に向け連携する。

JSEOceanは、川崎重工業と岩谷産業の共同出資会社である日本水素エネルギー(JSE、同港区)の子会社。第三者割当増資後の出資比率は、日本水素エネルギーが50・2%、海運3社が各16・6%となる。

資本参加を通じ、各社は2024年までに世界初の大型液化水素運搬船における安全で効率的な運航方法などを共同で検討する。また液化水素運搬船は水素を推進燃料とする予定で、運航時の二酸化炭素(CO2)排出量も削減する。

日本は水素基本戦略において、30年に最大で年300万トン、40年に同1200万トン程度、50年に同2000万トン程度の水素導入を目標に掲げている。

JSEOceanは23年1月に設立された。今回の第三者割当増資の実施で、日本水素エネルギーとエネルギーの海上輸送事業で知見と経験を持つ海運3社はJSEOceanを通じて、国際水素サプライチェーン(供給網)における液化水素の海上輸送確立を目指していく考えだ。

また日本水素エネルギーは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトにおいて水素の製造から液化出荷、海上輸送、受け入れまでの一貫した液化水素供給網の構築に向け実証に取り組んでいる。


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日刊工業新聞 2023年09月27日

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