トラック待機110分→70分に、王子ネピアが出荷時短へ施策〝総動員〟
王子ネピア(東京都中央区、森平高行社長)は家庭紙の出荷を効率化するため、名古屋工場(愛知県春日井市)でトラック入場予約システムを稼働した。狭いスペースゆえの非効率やトラックの集中問題を改善する。同工場は2024年6月末からのパレット運用を予定しているが、加えて朝の作業開始の1時間前倒しなどの施策も“総動員”。24年後半にはトラックの構内滞在時間を従来の平均110分から70分に圧縮できる見通しだ。(編集委員・山中久仁昭)
名古屋工場は首都圏や中京圏、関西圏向けのティッシュやトイレットペーパーなどを生産している。残業時間の上限規制など物流24年問題に対応すべく、構内滞在時間を構成する荷役作業とトラック待機の時間を見直す。
トラック待機時間の圧縮では、工場に入る際のIT予約システムを導入した。ドライバーらがオンライン上で入場時間を予約し、構内の物流センターにあるタブレット端末で受け付ける。トラックを呼び出し、バース番号を音声通知して誘導する。
従来、運輸会社は電話やメールなどで物流センターに入場を連絡していたが、時間は指定していなかった。システム導入では40分刻みでの予約が可能。トラックの過度な集中を回避し、平準化する。
名古屋工場は徳島工場(徳島県阿南市)とともに、製品出荷用パレットの導入も決定済みだ。製品を梱包(こんぽう)した段ボール箱を複数個束ね、パレットに積み付けるパレタイザーを導入する。フォークリフトとの組み合わせにより人による手積み・手おろしから脱却し、配送先での作業効率化にもつなげる。
加えて、朝の作業開始を8時から7時に早め午前中の積み込み量を増やす。諸施策の積み上げで、トラック構内滞在時間を最大でも180分から120分に短縮。同社は「国のガイドラインにある2時間以内は達成可能」(業務本部)とみる。