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大王製紙が商品入出荷に無人フォークリフト、専用レール必要なし

大王製紙が商品入出荷に無人フォークリフト、専用レール必要なし

静岡県富士宮市の工場に導入するAGF

大王製紙は家庭・個人向け(H&PC)事業の物流面の働き方改革として、無人フォークリフト(AGF)を順次導入する。2023年度は静岡県富士宮市内の2工場の倉庫で計6台稼働させる。家庭紙工場で2台、紙おむつなど吸収体の工場では4台導入する。導入費は非公表としている。勤務時間を夜間から昼間にシフトすることなどにより、作業負荷の軽減や労働時間の削減につなげていく。

AGFを9月に導入するのは、ティッシュやトイレットペーパーを扱う完全子会社、エリエールペーパーの南陵工場。10月には、紙おむつや生理用ナプキンなど吸収体商品を扱う完全子会社、エリエールプロダクトの富士北山工場で稼働させる。

南陵、富士北山の各工場は24時間稼働で、AGFは完成した商品を生産ラインから倉庫に格納するのに活用する。従来は商品の受け入れと出荷の業務について、いずれも人がフォークリフトを操作していたが、受け入れをAGFに移行していく。AGFは安全性を確保しており、人の作業とエリアを分けることなく協働が可能だ。

AGFは水平全方位360度の高性能センサー「LiDAR(ライダー)」が障害物を検知し、高度な自律移動を実現する。独自のアルゴリズムと連動することでAGFの周辺情報を取得し、マッピングしつつ位置を特定するため、倉庫内床に専用レールや磁気ラインを設ける必要がない。AGFは生産を中断せずに容易に導入できるメリットもある。

大王製紙は今後、グループの別の工場内倉庫についてもAGF導入を検討。工場内ではトラックへの積み込みの改善も進めていく。

日刊工業新聞 2023年07月05日

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