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最高時速60kmで自動運転、名古屋都心部で国内初実証

最高時速60kmで自動運転、名古屋都心部で国内初実証

実証では自動運転車両(手前)が、周囲の車に合わせた速度で走ったり、空いている車線に移動したりした

愛知県や自動運転技術を開発するイスラエルのモービルアイの日本法人などは12日、最高時速60キロメートルで自動運転する実証実験を名古屋市の都心部で始めた。交通の流れに沿った自動運転を実用化する狙いで、県は国内初の取り組みとしている。2024年2月2日までの合計19日の間に約80回走行し、幹線道路の車速に合った走行や車線変更、右左折の自動化などを検証する。大村秀章愛知県知事は「自動運転のステージが上がった」と強調した。

全周を認識するための11台のカメラや全地球測位衛星システム(GNSS)を電気自動車(EV)に搭載し、自動で加減速したりハンドルを操作したりした。走行経路は同市中村区の名古屋駅から同千種区にある商業施設を結ぶ約9・2キロメートルで、通行量が多い幹線道路の若宮大通を走る。走行している車線が混雑すると空いている車線に自動で移動したり、前を走る車に合わせて減速したりした。

実証の意義について大村知事は「安全性を検証しながら実用化するのは行政の役割」と説明する。県は24年に名古屋市内で開業するスタートアップ支援拠点と名古屋駅の移動に自動運転車両を活用する考え。安全性や法規制、社会が受け入れられるかなどの課題を解決し実用化を目指す。

日刊工業新聞 2023年12月13日

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