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自動運転のスムーズな安全運行…バスの豊かな“表情”がカギ握る?

自動運転のスムーズな安全運行…バスの豊かな“表情”がカギ握る?

外向けHMIを搭載した自動運転バス

クルマと地域住民のコミュニケーションを強化―。市光工業とBOLDLY(ボードリー、東京都港区、佐治友基社長)は、茨城県境町で外向けヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)を搭載した自動運転バスの公道実証実験を5日まで行っている。発進や停止、右左折など車両の状況をディスプレーに表示。ドライバーがいなくても一定の条件下で公道を走行できる自動運転「レベル4」でもスムーズで安全な運行を目指す。(増田晴香)

実証では、自動車ランプメーカーの市光工業が開発したディスプレーを1台の自動運転バスに設置し、「自動運転中」「停止中」「右折中」など車両の状態のほか、「こんにちは」といったメッセージ7種類を文字や表情で表示。サインがある場合とない場合で、歩行者らの行動がどう変わるかなどを検証した。

市光工業イノベーション部の箕川彰一部長は「交通参加者とより良い関係を築き、地域に受け入れられれば」と期待する。また、車内のオペレーターの負担軽減につながるかどうかも確かめる。

境町はソフトバンク子会社で自動運転サービスを手がけるボードリー協力の下、2020年11月から有人監視下での自動運転「レベル2」でバスを定常運転している。公道でのHMIの実証は日本初だという。これまでは運転手がジェスチャーなどを使い、歩行者や車とコミュニケーションを取っていた。

住民に説明するボードリーの佐治友基社長(中央奥)

今回はHMIを車内のスタッフが都度タブレット端末で操作する。ディスプレーは遠方からでも視認性が高く、バスの豊かな“表情”が目を引いた。6月末に開いた地域住民へのお披露目会で、ボードリーの佐治社長は「今後、もっといろいろなメッセージを出せると思う。皆さんに興味を持ってもらいたい」と説明した。

ボードリーはこれまで全国で約130回の実証を行っており、国内4カ所で自動運転バスの社会実装を実現。今後も、ドライバーがいないレベル4での自動運転サービスで安全な運行をしていくため、HMIの横展開を検討する。

現在は手動でHMIの表示を出しているが、将来はボードリーの自動運転車両運行管理プラットフォームと市光工業のシステムを連携し、車両の走行状況から自動的に適切なサインに表示を変更できるシステムを開発する考えだ。

日刊工業新聞 2023年月7月4日

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