トヨタ「GRヤリス」に搭載、セキソーが開発した吸気ダクトの特徴
セキソー(愛知県岡崎市、山田昌也社長)は、製品形状を見直してエンジンルームに送る空気の流れをスムーズにしつつ音の発生を抑えた吸気ダクトを開発した。レースやラリーで使われるトヨタ自動車のスポーツカー「GRヤリス」向けの装備として展開する。セキソーがレース・ラリー向け製品を開発するのは初めて。極限状態で使用されるレース・ラリー向けを手がけることで、強みとする音のマネジメント力に磨きをかける。
開発した吸気ダクト「GRコールドエアインテークダクト」はディーラー(販売店)オプションとして提供する。価格は3万3000円(消費税込み)。
ラリーなどで公道を走る際にエンジンに送る空気量を50%程度高めながら、発生する音を低減する機能が特徴。
一般的な吸気ダクトは発生する音を制限するためダクトの間口を絞っている。これにより十分な空気を供給できず、エンジンの出力を上げにくい課題があった。
セキソーでは製品を直線形状にして空気の流れをスムーズにした。一般的な製品の下部にはエンジン内に水が入るのを避けるための空洞が設けられているが、同社は設計の工夫などにより、これを最小化。同空洞はエンジンルームからの暖かい空気を吸ってしまっていたが、最小化することで冷たい外気を取り入れやすくなった。
ダクト内部には同社が開発した独自の高効率吸音材「セキソー・アコースティック・ファイバー(SAF)」を配置することで騒音を軽減した。
同社はレースやラリー向け製品で培った知見を市販車向け部品にも応用し、静かで燃費性能の良い車部品の開発につなげる。
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日刊工業新聞 2023年12月12日