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トヨタ「センチュリー」新型SUVに供給、セキソー開発「空調ダクト」が実現した機能

トヨタ「センチュリー」新型SUVに供給、セキソー開発「空調ダクト」が実現した機能

騒音低減効果を持たせたセキソーの自動車用空調ダクト

セキソー(愛知県岡崎市、山田昌也社長)は、3デシベル以上の騒音低減効果を持たせた自動車用空調ダクトを開発した。繊維をシート上にして成形する独自の工法により、異音の改善や製品の軽量化、製造時の二酸化炭素(CO2)排出量削減などを実現した。トヨタ自動車の旗艦モデルの最高級車「センチュリー」のスポーツ多目的車(SUV)型の新型車に採用された。

開発した「SAP空調ダクト」は高級車のエアコン音の低減を求めるニーズに応えた。一般に樹脂の空調ダクトでは、音が共鳴することで耳障りな気流音が発生する。一方、セキソーの新製品は繊維をシート上にして成形するため、微細な穴(多孔質)が形成され、空気の圧力を逃がすことができる。

SAP空調ダクトは車室内前方のインストルメントパネル(インパネ)内に搭載する。一般的なダクトは車の振動により内部のワイヤハーネス(組み電線)と接触し打音につながることを回避するため、製品表面にウレタンなどを敷く。これに対しSAP空調ダクトは繊維を使用しているため、全体が吸音材の役割を果たす。吸音材300平方センチメートルを貼り付けた場合と同等の吸音力を実現した。

エアコン周辺は結露が発生し、水滴による電子機器への悪影響も懸念される。通常はウレタンで保護するが、SAP空調ダクトは繊維由来のため断熱性向上効果と保水能力が期待できる。

このほかSAP空調ダクトは独自の工法により、ソリッドブロー製品に比べて35%以上の軽量化を達成。製造時にリサイクル材のポリプロピレン(PP)を使用することでCO2を21%低減する。また発泡ブロー製品と比べて重量は同等ながら、CO2排出量を40%低減可能。セキソーは同製品で、トヨタの新型センチュリー「プロジェクト表彰」の技術の部を受賞した。

今後はプラグインハイブリッド車(PHV)や電気自動車(EV)などの普及に伴い、エンジン駆動音がなくなり空調音が目立つことが懸念される。セキソーは新製品で培った技術や既存技術を組み合わせ、空調ダクト製品の提案力を強化する。


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日刊工業新聞 2023年11月28日

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