理化学研究所と富士通、九州大学などは１４日、スーパーコンピューター「富岳」の実用計算性能が８期連続世界１位になったと発表した。産業利用の多い共役勾配法や大規模グラフ解析で首位を獲得した。スパコン性能ランキングの発表は半年に１回のため、稼働から４年間、世界トップクラスであることを示した形だ。この知見を次世代機開発に生かしていく。

共役勾配法を競う「ＨＰＣＧ」と大規模グラフ解析の「グラフ５００」で首位に輝いた。総合性能を競う「トップ５００」では４位、人工知能（ＡＩ）処理などで用いられる低精度計算の性能を現す「ＨＰＬ―ＭｘＰ」では３位だった。

各ランキングで高位に付け、総じて高性能を証明した。特定の計算に特化せず、多様な計算需要に応えられる汎用性を実現した。グラフ５００に関しては記録を更新し、性能が向上し続けている。稼働後４年間、世界トップクラスを維持することになる。現在、次世代機の事業化調査（ＦＳ）を進めており知見を反映させていく。