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三菱ケミカルGがホンダと共同開発、自動車ボディー用アクリル樹脂の特徴

三菱ケミカルGがホンダと共同開発、自動車ボディー用アクリル樹脂の特徴

ホンダのコンセプトモデルの車体に三菱ケミカルグループのアクリル樹脂が採用された

三菱ケミカルグループは、ホンダと共同で自動車ボディー部品向けアクリル樹脂材料を開発した。ケミカルリサイクル(CR)による生産や塗装レスなど、環境負荷を低減できる点を特徴とする。同材料はホンダのコンセプトモデル「サステナ・シー コンセプト」と「ポケット コンセプト」に採用された。

アクリル樹脂は加熱すると高収率で原料に分解できるリサイクルに適した樹脂。三菱ケミカルグループではCRアクリル樹脂の事業化と併せて、環境負荷の低い自動車部材として提案する考え。

CRによるアクリル樹脂は、製品ライフサイクル全体での温室効果ガス(GHG)排出量を従来品に比べて50%ほど削減できると見込む。同社ではアクリル樹脂のCRプラントについて、2025年度の稼働開始を視野に入れている。

同材料は原料段階でさまざまな色に着色できるため、塗装工程が不要となる。塗装工程で発生する二酸化炭素(CO2)の排出削減に寄与する。またアクリル樹脂にゴム粒子を混練することで、しなやかな質感と耐衝撃性の向上を実現した。


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日刊工業新聞 2023年10月27日

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