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三井化学と旭化成の新会社…不織布、車・半導体開拓へ一手

三井化学と旭化成の新会社…不織布、車・半導体開拓へ一手

三井化学と旭化成で培われた不織布関連技術を融合させ、産業材料分野を開拓する(ユーテックのカートリッジ)

エム・エーライフマテリアルズ(東京都中央区、簗瀬浩一社長)は、2025年―27年をめどにタイ生産拠点や国内生産拠点のシステムを統合する。事業基盤をより強固にし、自動車や半導体など付加価値の高い不織布関連の産業材料分野の開拓につなげる。30年ごろには、売上高を483億円(22年3月期)から1000億円に引き上げる。

エム・エーライフマテリアルズは三井化学旭化成の不織布関連事業を統合し、両社の出資により2日に設立された。海外拠点は主にオムツなどの衛生材料を手がける三井化学のタイ生産子会社と、旭化成のタイ生産子会社を承継した。25―26年にはタイの両社を統合して管理部門を効率化し、生産の競争力を高める。

一方、国内では27年頃に、生産委託している旭化成守山工場(滋賀県守山市)のITシステムを、サンレックス工業(三重県四日市市)、三井化学の名古屋工場(名古屋市南区)と統合する計画。三井化学との連携促進や安定操業などにつなげ、成長基盤をより強固にする。将来的には、守山工場の関連製造事業の統合も目指す。

開拓分野として力を入れるのが、自動車や半導体など付加価値の高い産材分野。現状で衛材7に対し産材3の売上高比率を、30年頃までに同程度にする考えだ。三井化学のポリプロピレン(PP)の知見や繊維の極細化・中空構造化する技術、旭化成のポリエステルやナイロンなどの技術との融合を生かす。

自動車分野では軽量化やリサイクルに寄与できるとみており、防音材や電磁波吸収材などの開発に取り組む。電池関連も開拓の余地があるとみる。また半導体関連では積層セラミックコンデンサー(MLCC)用フィルターにおいて、PPの極細繊維だけでなく、ナイロンの知見などを生かせる。半導体関連で異なる工程向けの開拓も検討する。

旭化成が手がけていた油水分離フィルター「ユーテック」でも、三井化学の技術と組み合わせて性能向上を目指す。エム・エーライフマテリアルズ本体に在籍する従業員約130人の人事交流も積極化し、相乗効果を加速させる。


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日刊工業新聞 2023年10月25日

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