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三菱重工の新開発「超高圧液体水素昇圧ポンプ」搭載、車載型水素ステーションの中身

三菱重工の新開発「超高圧液体水素昇圧ポンプ」搭載、車載型水素ステーションの中身

車載型水素ステーション(イメージ)

水素の充填能力を大幅増

三菱重工業は岩谷産業と、トラックの荷台に積載して移動できるポンプ方式の車載型水素ステーションを共同開発する。三菱重工の新開発の超高圧液体水素昇圧ポンプを搭載することで機器構成を最適化し、既存の車載型より水素の充填能力を大幅に高める。港湾や建設現場など定置型水素ステーションを整備しづらい場所で、燃料電池(FC)を搭載した次世代の港湾用クレーン、油圧ショベルなどに水素を充填する用途を見込む。数年以内の市場投入を目指す。

FC搭載の港湾用クレーンなどは大手メーカーが開発を進めているが、水素の充填環境が普及の課題になるとみられる。三菱重工と岩谷は充填能力が高い車載型水素ステーションを実用化し、課題解決につなげる。

三菱重工が水素ステーション向けに開発した吐出圧力90メガパスカル(メガは100万)級の超高圧液体水素昇圧ポンプを活用する。水素ステーションで一般的な気体を昇圧するコンプレッサー方式より、消費電力を4分の1に抑えられる。

同ポンプの開発・販売で岩谷と協業しており、車載型も開発する。コンプレッサー方式に比べ、構成機器の蓄圧器の台数を大幅に削減できるため、その分液体水素のタンクを多く積載できる。岩谷の水素ステーション建設・運営の知見を生かし、仕様を今後固める。

定置型水素ステーション向けでは目標1000時間の長期耐久試験を実証中で、2024年の客先への納入を目指す。定置型で実績を築き、車載型の実用化につなげる。

日刊工業新聞 2023年09月25日

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