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騒音・粉塵9割減、戸田建設が杭打ち工事の杭頭処理で新工法

騒音・粉塵9割減、戸田建設が杭打ち工事の杭頭処理で新工法

余盛り部の処理で騒音や粉じんの発生を抑えられる

戸田建設は25日、国土交通省発注案件の杭打ち工事に、杭頭処理の新工法が採用されたと発表した。水が凍結する際に膨張する力を利用し、余盛り部に亀裂を発生させて破砕する。騒音や粉じんを従来比で9割減らせるほか、作業員の労働環境も改善できる。国交省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録しており、都心部や周辺環境への配慮が必要な工事を中心に社内外で展開する。

戸田建設が精研(大阪市中央区)と共同開発した凍結杭頭処理工法「しずかちゃん」として、国交省が新技術活用工事とする橋台工事で指定工法に採用された。新工法では、まず杭のコンクリート打設前に凍結管を設置。コンクリートの養生期間後に凍結管内の水を液化窒素で凍結させ、周囲に亀裂を生じさせることで余盛り部を切り離す。余盛り部は揚重機で引き抜くだけで処理を完了できる。

杭頭部での処理作業が従来工法の1割程度で済むため、騒音や粉じんの発生を大幅に低減できる。今回は直径1200ミリメートルの杭10本に適用し、余盛り部の撤去を約5時間で終えた。最大杭径2600ミリメートルまで適用実績があり、高強度コンクリートにも対応できるという。NETISに加えて、3月には東京都の新技術情報データベース(NeTIDa)にも登録された。

日刊工業新聞 2023年09月26日

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