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ロボット2600台が棚自在に動かす、アマゾン最先端倉庫の秘密

ロボット2600台が棚自在に動かす、アマゾン最先端倉庫の秘密

黄色い棚(ポッド)の入れやすい場所にどこにでも入れられる

ロボ・人、スムーズに作業

米アマゾンは21日、千葉市美浜区で8月末に稼働した、日本で最も多くのロボットを導入した最新の物流倉庫「千葉みなとフルフィルメントセンター」を報道関係者に公開した。約2600台ものロボットが商品を保管する棚を自在に動かし、人が行う作業を手伝うことで、作業効率を高めた。最先端の物流技術が盛り込まれている。(梶原洵子)

千葉みなとフルフィルメントセンターは4階建て、延べ床面積12万平方メートルの大規模施設で、2―4階の大半がロボットの働く商品保管エリアだ。人が働く場所とフェンスで区切られており、ここでは、掃除ロボット・ルンバのような平らなロボット「ドライブ」が、高さ2メートルほどの「ポッド」という棚の下に潜り込み、人が棚入れ・棚出し作業を行う場所へ移動する。通常の倉庫のように人が棚の間を動き回る必要がない。

同センターには約3万台のポッドがあり、液体商品などを保管する固定棚と合わせて1700万個以上の商品を在庫する。ピーク時には1日当たりそれぞれ約60万個の入荷および出荷に対応する。

すごいのはロボットだけではない。入荷された商品を棚入れする際、作業者は目の前にやってきたポッドの空きスペースのどこに商品を入れてもいい。保管した場所は、カメラで撮影し記録する。「入れやすい場所にどんどん入れていい」(同社担当者)ので、速く作業できるのだ。

棚出しの際はディスプレー画面に対象商品の情報を表示することに加え、商品が入っているポッドのスペースにライトをあてて指示し、棚出し作業をやりやすくする。また、作業の速さをゲームのような画面で表現し、ゲーム感覚で作業スピードの向上を促す。

このほか、足の疲労を軽減するクッション性のあるマットや、商品を投函(とうかん)すると自動で袋を閉じて梱包(こんぽう)する設備を導入するなどの工夫を施した。フルフィルメントセンターのレイアウトなどは基本的に全世界共通で、「作業時に無理な姿勢にならないように、専門チームが人間工学に基づいて設計している」(同)という。

アマゾンは物流技術で世界をリードしており、日本ではドライブやポッドなどで構成するアマゾンロボティクス技術を2016年から導入している。米国では、人と同じ場所で働ける棚輸送ロボットなどの開発を進めており、倉庫はさらに進化すると期待される。

日刊工業新聞 2023年09月22日

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