ニュースイッチ

飽きさせない「踊る商品」…サイバーエージェントと阪大が販促ロボシステム開発

サイバーエージェントの岩本拓也研究員と大阪大学の石黒浩教授らは、コンセント一つで商品をロボット化するシステムを開発した。スピーカー付きの回転昇降ステージに商品を載せると商品が踊っておねだりする。プログラミングは不要。商業施設での実証実験では5カ月たっても販促効果が持続した。販促ロボットは飽きられる課題があったが、“顔”となる商品を入れ替えることで長続きする可能性がある。

回転昇降ステージや音楽再生、来客検出などの機能を一つにまとめ、コンセントにつなげば販促を始められるシステムを開発した。商品を載せると商品が回ったり上下したりして音楽に合わせて踊る。ダンスで来店客の注意を引いて足を止め、ダンスの最後に「手に取ってほしいな」とおねだりして検討を促す。

商業施設の実証実験では20商品をロボット化して5カ月間の長期効果を検証した。同じ期間にロボット販促しないパターンを入れ替えて比較した。

すると多くの商品で販売数が増え、多い商品では2―3倍売れた。5カ月間販促効果が続いた。

コミュニケーションロボットを販促に用いる場合、ロボットのキャラクターが販促効果を左右し、ロボットに慣れてしまうと効果が薄れる課題があった。商品自体をロボット化すれば商品を入れ替えられるため、飽きられにくくなる。

実証実験では効果検証のためにダンスやおねだりのせりふを統一したが、実際には商品や店舗に合わせてせりふを作成できる。電源一つで始められるため店舗の負担は少ない。年内のサービス開始を目指す。

日刊工業新聞 2023年09月21日

編集部のおすすめ