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アマゾンなどで異論唱えるレビューは有用、東大などが明らかにした同調圧力への効果

東京大学の植田一博教授と山口大学の楊鯤昊講師らは27日、異論を唱える商品レビューは有用性が高いことを実証したと発表した。電子商取引(EC)サイトの商品レビューへの投票機能を用いて有用性を推定した。するとその商品の平均評価点から離れているレビューほど有用性が高くなった。同調圧力へ立ち向かう姿勢がレビューの質を高めていると考えられる。

ECのアマゾンの商品レビューを1000万件以上集めて解析した。評価点とレビューへの投票数で回帰モデルを作ると、平均評価点から離れるほど有用性が向上した。携帯電話や電子機器のレビューで顕著に見られた。

さらに人工知能(AI)技術でレビュー内容の中立性や簡潔性、十分性を評価した。異論を唱えるレビューは情報の十分性や簡潔性が高かった。多数派の意見に反論するために、情報選択が的確に行われている可能性がある。レビューの同調圧力は異論を封じ込めるように働くとされてきたが、異論の質を高める効果もあった。

日刊工業新聞 2023年06月28日

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