レゾナックが台湾HDメディア事業撤退、収益改善を目指す
レゾナック・ホールディングスは、ハードディスク(HD)メディア事業の構造改革を加速する。台湾関係会社を清算し、台湾でのHDメディア事業の撤退を決めた。注力する半導体・電子材料セグメントにおいて課題だったHDメディア事業だが、より需要に対応したグローバルでの最適な生産能力を構築し、収益改善につなげる構えだ。
台湾でHDメディアの製造販売を担う台湾関係会社「レゾナックHD台湾」が10月末に生産を終了し、2024年6月に開催予定の株主総会で解散を決議する。22年12月期の売上高は日本円換算で約160億円。従業員約630人は12月末めどで解雇となるが、退職一時金といった形で優遇する。今回の清算はレゾナック・ホールディングスの23年12月期の連結決算に特別損失の計上を見込み、詳細は精査中。
レゾナック・ホールディングスは23年1―6月期連結決算で半導体・電子材料セグメントの営業損益が131億円の赤字だった。その中で世界的な需要の低迷や市場環境の変化などを受け、HDメディア事業の収益改善が課題となっていた。
これまでHDメディアの構造改革として23年内での生産規模2割縮小に加え、さらなる需要の下振れを見据えた追加施策を検討していた。今回の台湾のHDメディア事業の終了という戦略の見直しにより同3割に縮小幅を増やす見込みだ。グローバルでの過剰な生産能力を最適化することで対応していく。
日刊工業新聞 2023年09月18日