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正答率95・4%、ブリの匂いで鮮度判定するシステム

正答率95・4%、ブリの匂いで鮮度判定するシステム

匂い測定器(産総研提供)

産業技術総合研究所の伊藤敏雄主任研究員と函館地域産業振興財団北海道立工業技術センターの吉岡武也専門研究員らは、ブリの匂いで鮮度を判定するシステムを開発した。半導体センサーで揮発性成分を検出し、その応答波形を機械学習で判定する。模擬ガスで検証すると正答率は95・4%。海外の飲食店などでも生食用の鮮魚管理をしやすい環境構築につなげる。

ブリの切り身から放出される揮発性成分を半導体式センサーで検出する。入荷直後と生食、加熱調理用、腐敗の試料を用意し揮発性成分を精密計測した。すると27種類の成分が含まれていた。この代表的成分4種で模擬ガスを調整し、半導体式センサーの応答データを収集した。

半導体センサー(産総研提供)

センサーに揮発性成分が吸着する過程と離れていく過程を機械学習すると240データのうち229データを正しく判定できた。95%に当たる。精密計測には試料を採取し分析機器で測る必要があった。匂い判定は食材を損なわない。

日本から生食用の魚を輸出しても、扱えるのは職人を抱える日系店舗に限られていた。簡便な判定法は輸出拡大につながる。

日刊工業新聞 2023年08月23日

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