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りそな銀行が100億円ファンド設立、「ベンチャーデット」初投入

りそな銀行は10月にも総額100億円規模のベンチャーファンドを設立する方針を固めた。新設するベンチャーファンドを通じて、融資に新株予約権を組み合わせた「ベンチャーデット」を投入する。アーリー、ミドルステージのベンチャーの資金調達を支援し、成長を促す。りそな銀行がベンチャーデットを手がけるのは初めて。今後の金利上昇局面を見据え、金利ビジネスの拡大につなげる。

新設するベンチャーファンドがベンチャーデットを通じて融資する額は1社当たり5000万―3億円程度となる見込み。主な対象をアーリー、ミドルステージのベンチャーに設定することで、ミドル、レイターステージに軸足を置くメガバンクと差別化する。他行よりも早い段階で有望なベンチャーを発掘。ITや製造業など幅広い業種のベンチャーを対象にする。

ベンチャーデットは、4月に設立したりそな銀行コーポレートビジネス部ベンチャー支援グループが中心になって設計する。

審査ではベンチャーに適した事業性評価を用いて、出資までのスピードを速める。事業性評価には第三者のノウハウや意見も取り入れる方針だ。

政府は2022年度に策定したスタートアップ育成5カ年計画で、スタートアップ投資額を27年度に10兆円規模まで高める目標を掲げる。将来はスタートアップを10万社創出したい考え。りそな銀行は政府肝いりの政策を追い風にベンチャー支援事業の拡大を狙う。加えて金利上昇局面をにらみ、新たな金利ビジネスを育成したい考え。


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日刊工業新聞 2023年08月09日

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