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「脱・銀行」加速するりそな銀行の人材採用計画

りそな銀行は2023年度の中途採用数を22年度比7割増となる210人に引き上げる。デジタル変革(DX)・ITをはじめする分野ごとに高い専門性を持つ人材を採用する。長引く低金利で銀行の利ざやが縮小しているのに加え、ITや流通など異業種からの参入で競争環境が激化している。こうした状況に対し、従来の銀行業務にとらわれず、新たな商品・サービスの提供、ビジネスモデルの構築に取り組む「脱・銀行」を加速させる狙いがある。

りそな銀行の中途採用の実績と計画

りそな銀行が3年続けて、中途採用の大幅増に踏み切る。21年度に前年度比約2・1倍となる65人、22年度に同1・9倍の124人を採用。23年度は採用数をさらに100人程度上積みする。

りそな銀の親会社であるりそなホールディングス(HD)は収益拡大やサービス向上に向け、20年に策定した中期経営計画に「脱・銀行」を盛り込んだ。高い専門性を持つ外部人材を採用し、脱・銀行を急ぎたい考え。中途採用を専門にするキャリア採用チームを立ち上げ、M&A(合併・買収)、不動産、年金・信託、資産運用、DX・ITなど、幅広い分野で専門人材の採用を進めている。

りそな銀は21年に社員がキャリアを選択できる複線型の人事制度を導入。データサイエンティスト、DXスペシャリスト、リスク管理、アセットマネジメントなど、業務分野別に19のコースを設置し、専門人材の育成に注力している。中途人材には各分野で中核を担う人材として活躍してもらいたい考え。

金融業界では中途採用を増やしており、人材の獲得競争が激しくなっている。


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日刊工業新聞 2023年月4月25日

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