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「ポケモンGO」で“歴まち”を盛り上げる、国交省が参加呼びかけ

「ポケモンGO」で“歴まち”を盛り上げる、国交省が参加呼びかけ

福島県国見町は、奥山家住宅など13カ所を紹介する(同町HPから)

国土交通省はスマートフォンのゲーム「ポケモンGO」を利用し、地方自治体の歴史を生かした街づくりを盛り上げる取り組みを進めている。運営会社の米ナイアンティックと連携し、ポケモンGOの中に歴史的建造物や歴史文化を紹介する情報を実装し、ゲームを通じて実際の誘客を図るものだ。国交省は歴史を生かした街づくりに取り組む91の都市を法律で「歴まち都市」に認定している。このうち7月までに10都市が参加した。今後、すべての歴まち都市に参加を呼びかけていく。(編集委員・板崎英士)

ポケモンGOはスマホの位置情報を活用しリアルの街に出て楽しむゲーム。参加する歴まち都市は、紹介したい歴史的建造物など50カ所までの場所の全地球測位システム(GPS)座標と写真、説明文をナイアンテックに送り、同社がポケストップ(立ち寄り場所)としてデータを実装する。自治体には費用はかからない。ゲーム中の人がその場所に近づくと建造物の説明や歴まちのロゴマークが表示され、詳しい紹介サイトにアクセスできる。

ポケモンGOは日本では2016年に発売され社会現象となり、鳥取県や横浜市は、新たな集客手段としてタイアップイベントなどを開催している。ナイアンテックから国交省に社会貢献として活用できないか問い合わせがあり、すでにポケモンGOを活用していた神奈川県小田原市をモデル都市として21年11月から実証した。その結果「人通りは増えたが、利用者の集中による混乱は起きずマイナス面はなかった」(国交省都市局の景観・歴史文化環境整備室)ことから、23年度から事業化した。

最初の募集に11都市が手を挙げ23年4月に静岡県三島市、和歌山県広川町、広島県尾道市、愛媛県内子町、福岡県太宰府市が、5月に秋田県横手市が、さらに7月に福島県国見町と浜松市、大津市の3都市が加わった。9月には熊本市も参加する予定。「できるだけ多くの都市に、歴史文化を再認識する機会として利用してほしい」(同)としている。

日刊工業新聞 2023年月8月8日

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