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セブン&アイが食品値引き最適化アルゴリズム開発、損失率7%改善

セブン&アイ・ホールディングス(HD)の中村暢佑氏と関口智樹オフィサーらは、スーパーマーケットの食品部門向けの値引き最適化アルゴリズムを開発した。過剰な値引きを回避でき、値引き損失率が7%改善した。最適な値段で完売できると店舗の利益が向上する。中長期的には従業員や調達先などを含めたサプライチェーン(供給網)の健全化につながる。

パンや軽食、デザートなど、1日に数回値引きシールを貼る食品を対象に値引きの最適化アルゴリズムを開発した。まず商品の需要を予測し、その予測を元に値引き率を最適化する。需要予測モデルでは商品の各値引率ごとの需要を推定する。値引率は来店客数には変化を与えず、来店客ごとの需要量を増大させる。

値引き最適化では食品廃棄率を増やさないよう計算に罰則パラメーターを取り入れた。また1日の値引きは数回で、その作業は他の業務の間に行うため値引き時間が決まっていない。そこで値段は一度下げたら上げない、などの条件を満たし最適化できるよう定式化した。値引き率は10%ごと。動的計画法で在庫数や値引き率、利益を求めた。

スーパーで2週間試験運用すると、店員の判断で値引きする場合に18・7%だった値引き損失率を17・4%に抑えられた。7%の改善になる。

値引き率は、人手では20―50%のときに完売する商品が多い。システムでは20%未満での完売が最多だった。同時に食品ロスは増やさなかった。今後、鮮魚や精肉などの商習慣の異なる商品に適用を広げる。

日刊工業新聞 2023年07月12日

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