大和ハウスが開発、リラックス効果高めた個室型ワークブースの秘訣
大和ハウス工業はイシモク・コーポレーション(福岡県大川市)と共同で、植栽ユニット搭載によってリラックス効果を高めた個室型ワークブースを開発した。自然光に近づけて調光・調色した発光ダイオード(LED)照明も採用。人工環境内に自然を取り入れる「バイオフィリックデザイン」で、ストレス軽減や集中力向上が期待できる。7月中に発売予定。ウェブ会議システムの普及で堅調な需要が見込める中、年100台の販売を目指す。
製品名は「ハコノワ」。個室型ワークブースにバイオフィリックデザインを採用するのは業界初とみられる。換気システムには給気口と排気口のそれぞれに吸音材を取り付け、遮音性向上と換気ファンの騒音低減を実現。十分な換気で室内の温度上昇を抑える。
大和ハウスが企画し、木質系内装設備メーカーのイシモク・コーポレーションが設計した。イシモク・コーポレーションのドア工場(福岡県大川市)で生産する。参考価格は110万円(消費税抜き)から。植栽がない廉価タイプも用意する。
大和ハウスの本社オフィスなどでの導入実績を踏まえ、外販に踏み切った。今後は大和ハウスが手がけるオフィスビルの新築やリノベーションにあたり、セットで提案する。将来的にはマンション共用部や商業施設などへの設置も検討する。
ウェブ会議システムの利用はコロナ禍で急速に拡大。これに合わせ、会話の内容が第三者に漏れるリスクを防ぐ観点から、個室型ワークブースの需要は高まっている。日本能率協会総合研究所(東京都港区)の調査によると、市場規模は2026年度には20年度比6倍の1万7000台に拡大する見通しだ。
日刊工業新聞 2023年07月11日