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自動運転バスを支える「塗料技術」の仕組み

日本ペイントHDが提供
自動運転バスを支える「塗料技術」の仕組み

目視で見た際のターゲットラインペイント(左)とセンサーで見た際のターゲットラインペイント(日本ペイントホールディングスの発表資料より)

日本ペイントホールディングス(HD)は、慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC、神奈川県藤沢市)と神奈川中央交通が共同研究・運行する自動運転バスの走行システムに、自動運転用塗料「ターゲットラインペイント」の提供を始めた。同塗料は塗装ラインに沿って車を自動走行させる車両制御システムに採用される塗料技術。日ペHDは技術的課題などを検証し実用化につなげる。

自動運転バスの運行は春・秋学期の平日10時半―18時半。区間はSFC看護医療学部発着の循環線約2・2キロメートル(公道0・9キロメートルと大学構内1・3キロメートル)。5月に運行を始めた。今回は大学構内にターゲットラインペイントを施工した。関東地域で同塗料の活用は初めてという。

日ペHD子会社が事業化するターゲットラインペイントは安価に自動運転のインフラを整備できる。全地球測位システム(GPS)が届かない場所もラインを認識し走行可能。高性能センサー「LiDAR(ライダー)」でラインを読み取る。アスファルトと同化する色で、運転者が道路の路面標示と誤認しないよう工夫した。

5月に長崎県対馬市の公道で実施された自動運転の実証にも提供した。日ぺHDは自動運転を支援するソリューション事業の創出を目指す。

日刊工業新聞2022年9月21日

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