監視カメラとAI活用の無人店舗。「重量センサー不要」の新しさ
セキュアは監視カメラと人工知能(AI)を使った無人の実験店舗「セキュアAIストアラボ2・0」を7月3日に新宿住友ビル地下1階(東京都新宿区)に開業する。2020年開業の1号店で得た課題を元に改良を重ね、無人店舗の多くで使われている重量センサーなどを不要にした。監視カメラのみで購入者と購買品を特定するのが特徴で、実証実験を検証後、年内に無人店舗システムとして小売業などへの販売を目指す。
同店では菓子やカップ麺など200種類を販売する。入店前にスマートフォンのアプリケーションをダウンロードし、クレジットカード情報を入力。画面に表示された2次元コード「QRコード」を入り口の端末にかざすと入店できる。
天井に設置した15台の監視カメラが「人がどこにいる」や「商品を手に取った」を認識し、解析技術によって誰が手に取ったかを特定する。監視カメラがあれば容易と思われがちだが、これまでこの「特定」が難しかった。
従来、誰かが商品を手に取れば、商品の棚の下に設置されている重量センサーが重さを検知。監視カメラは人の頭を追跡していた。だが、例えば菓子の商品棚前に来て2個を手に取り会計前に1個を戻した場合、元の同じ場所に戻さなければ2個購入したと判定されることがあった。
今回こうした誤認を解決するため、米アイファイ(カリフォルニア州)のカメラ映像を独自のAIで解析する技術を導入した。「一般的な無人店舗の誤認率(エラー率)は2―3%と言われているが、アイファイによると彼らのエラー率は1・5%。AIによる学習で導入から2カ月後には0・5―0・6%まで下がる」(平本洋輔取締役執行役員)と説明する。
実験店舗では約3カ月をかけて精度を確認する。すでにコンビニエンスストアやイベント開催時に飲食物や物品を販売するスタジアムなどから問い合わせがあり「まずは3―5社と一連の検証作業であるPoC(概念実証)を始める」(同)考えだ。