社内ツールに生成AI導入、フジテックの使い方
フジテックは生成人工知能(AI)サービスを国内全社員約3000人向けに導入した。ビジネス向けコミュニケーションツール「スラック」を通じ、生成AIである「チャットGPT」を利用する。いったんスラックを介するため、入力した文章がチャットGPTに学習や二次利用される恐れがない。ウェブ版を直接利用するより安全に使用できる。活用ノウハウを集め、利用者数の増加と業務改善を図っていく。
社内向け生成AIサービス「フジテック―GAI」として導入した。利用者はスラックに質問項目や作業してほしい項目などを入力。応用プログラムインターフェース(API)経由でチャットGPTと接続しており、回答を得る。
スラックを使うことで、安全性に加えて、社員の書き込みを可視化できるメリットがある。「スラック上で社員がどんどん書き込むことで使い方などの知見が共有される」(フジテック)ため、業務改善に積極的に活用してもらうことを期待している。
現在、利用登録しているのは600人弱。このうち約40%が営業関係という。ほかにエレベーターのメンテナンスや設置をするフィールドエンジニアと、開発・製造現場がそれぞれ25%ずつで、残りがバックオフィス関連だという。
外勤の社員だけで6割以上を占めており、顧客に対して「どのような回答をテキストレベルでしたら良いかという相談に最も使われている」(同)。プレゼン資料の素案の作成時にも使われているという。今後、利用者をさらに増やすと同時にセキュリティーなどの知見を集め、海外社員にも公開する方針だ。
日刊工業新聞 2023年月6月27日