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世界初、情通機構・住友電工などが実環境で光スイッチングを実証した意義

世界初、情通機構・住友電工などが実環境で光スイッチングを実証した意義

ラクイラ市内での実証イメージ(情通機構提供)

情報通信研究機構のソアレス・ルイス・ルーベン主任研究員らは伊ラクイラ大学、住友電気工業などと共同で、コア間の光信号が混ざる結合型マルチコア光ファイバーで経路の切り替えに成功した。伊ラクイラ市内に敷設された通信網を用いた。実環境で光スイッチングを実証したのは世界初。大容量光通信の実現につながる。

標準外径のファイバーに4本のコアの入った結合型マルチコア光ファイバーで経路の切り替えを実証した。結合型はコア間で光信号が干渉するため、コアごとに分岐し切り替えるのは難しい。そこで波長ごとに信号の行き先を切り替えた。

実験では6種の波長を混ぜて4コアファイバーで送信し、光スイッチで三つの経路に送り分けた。19種類のスイッチングパターン全てで十分な信号品質を確認した。結合型は信号処理でコア間の干渉を取り除くため、1本のファイバーに多数のコアを導入できる。長距離大容量通信の基盤技術になる。

日刊工業新聞 2023年05月18日

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