情通機構が360Gbpsの高速光コヒーレント伝送技術開発
情報通信研究機構のボリブーン・ブッサラ研究員とソアレス・ルイス・ルーベン主任研究員らは、短距離光通信向けに毎秒360ギガビット(ギガは10億)の伝送方式を開発した。一般的なレーザー光源で構成でき、通信システムの構築コストを抑えられる可能性がある。データセンター内ネットワークなどの大容量短距離光通信向けに提案していく。
自己ホモダイン検波方式の光送受信器を開発した。同方式では送信側に一般的なレーザーを利用できる。偏波に依存しないよう、複数の光検出器を組み合わせデジタル信号処理で信号光を再生する。受信側の信号再生レーザーが不要になる。
実験では毎秒360ギガビットの通信速度で142キロメートルまで復調可能な品質を保てた。データセンター内通信は10キロメートル未満。簡易な構成で高速光伝送を実現できる。新技術と波長多重技術や空間多重技術を組み合わせることで10テラビット(テラは1兆)を超える光通信の確立を目指す。
日刊工業新聞 2022年11月02日