ロボットで触った感覚を色で伝える、NTTと三菱電機が実証した技術は何に役立つ?
NTTと三菱電機は、モノを触った時の手応えである力触覚の情報を視覚情報へと変換することで、遠隔地から違和感なくロボットアームを操作する技術を実証したと発表した。力触覚の情報を物理的な刺激ではなく、視覚的な色情報として操作者に伝える。遠隔手術や遠隔設備修理など、ロボットなどによる高度な遠隔操作技術の応用の拡大が期待できる。
NTTの連携制御技術と三菱電機の遠隔操作技術を組み合わせた。実証ではNTT武蔵野研究開発センタ(東京都武蔵野市)にロボットの操作用デバイスとディスプレーを設置。直線距離で約50キロメートル離れたNTT横須賀研究開発センタ(神奈川県横須賀市)にロボットを配置した。
両拠点は、NTTの次世代光通信基盤の構想「IOWN(アイオン)」の低遅延技術「オールフォトニクス・ネットワーク(APN)」を模擬したネットワークにより、複数経路で接続した。
ロボット側で撮影した映像には、三菱電機の技術で力触覚の情報を付加しており、操作者は力触覚を視覚的に確認しながらロボットを遠隔操作できた。物理的な刺激を使わないで伝達できるため、構成する機器数を削減できる利点もある。
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日刊工業新聞 2023年05月17日