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NTTが8兆円投資する成長分野の中身

NTTが8兆円投資する成長分野の中身

会見する島田NTT社長

NTTは、2028年3月期までの5年間で、次世代光通信基盤の構想「IOWN(アイオン)」やデータセンター(DC)などの成長分野に約8兆円を投じる中期経営計画を発表した。同分野への投資額は、年間平均で1兆5000億円(23年3月期は1兆円)になる。EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は23年3月期比約20%増の約4兆円を目指す。

成長分野はIOWN、デジタル・DC、電力・エネルギー、人工知能(AI)・ロボットなど。島田明NTT社長は新中計について「新たに投資をしたものが、リターン、キャッシュを生むという好循環になるようにしていきたい」と意気込みを述べた。

IOWN分野では、24年3月期に約1000億円を投下する。IOWNの中核技術と位置付ける「光電融合デバイス」の製造会社「NTTイノベーティブデバイス」を6月に設立する。同デバイスは半導体チップの信号処理を電気ではなく光で行う技術で、消費電力削減への貢献が期待されている。

24年3月期連結業績予想(国際会計基準)は、営業利益が前期比6・6%増の1兆9500億円で過去最高を更新する見通し。業績をけん引するNTTドコモにおいては、通信料値下げで低下が続いていた個人向け通信事業が反転する。

日刊工業新聞 2023年05月13日

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