英語で生産改善、どう教えれば…?まずは「ムダ」から
海外工場で改善を教えなければならない場面で、単に英語にするだけでは伝えきれない、と思った方は少なくないだろう。英語と日本語の対訳となっている書籍『新装版「工場管理」基本と実践シリーズ 英語でkaizen!トヨタ生産方式』は、「座学+実践」のセッション教材としてそのまま使えるよう構成されている。今回は、その中のから「ムダ」の伝え方について紹介する。
ムダとは?
ムダをひとことで言うと?― MUDA="Waste"
トヨタ生産方式の教本では「付加価値を生み出さないで、原価のみを高める生産の諸要素」。しかし、これをそのまま英語にすると、硬い表現になってしまいます。
そこでムダとは、
顧客にとっての価値を生み出さないのに、資源を消費しているもの、状態。
MUDA?
Any activity that consumes resources without creatinɡ value for the customer.
あるいは、
顧客が喜んで「お金を払いたい」とは思わないようなもの、状態。
or
Any activity for which the customer is not willinɡ to pay.
と説明すると、英語圏の人にはわかりやすくなるようです。
ワンポイントレッスン① ムラ、ムリ、ムダを語りたい
ムラ、ムリ、ムダを3点セットで語りたいとき、どうしますか? ムラがあるからムリをする、ムリをするからムダが出る、などにピッタリの対応語は、残念ながらまだ発見されていないようです。ムラは“fluctuation”、ムリは“overburden”。
ワンポイントレッスン② カタカナのムダとひらがなのむだ
さすがに、カタカナ、ひらがなまでは英語で表現できません。こんなときは、ムダには2つのタイプがあり、1つはすぐに取れるムダ(can be eliminated quickly by kaizen)と、もう1つはすぐには取れないむだ(cannot be eliminated immediately)であると説明した上で、それぞれの例(工程間の間締めですぐに取れる停滞や運搬の「ムダ」、不良の真因を取り除かなくては解決しない手直しの「むだ」など)を挙げます。
(『新装版「工場管理」基本と実践シリーズ 英語でkaizen!トヨタ生産方式』より一部抜粋)
<書籍紹介>
海外工場出向者・改善担当者に読んでほしい“トヨタ生産方式の極意の伝え方” を整理。グローバルSCMの展開で重視される“トヨタのやり方” を体得・共有できる。現場で即使える日英対訳「改善フォーム集」と「トレーニング教材」を収録した。15刷を記録した2008年発行書籍の好評新装化。
書名:新装版「工場管理」基本と実践シリーズ 英語でkaizen!トヨタ生産方式
著者名:成沢俊子 with John Shook 著
判型:B5判
総頁数:142頁
税込み価格:2,530円
<販売サイト>
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